現在様々な現場で活躍の幅を広げている「スラモル」。その「スラモル」も、誕生までに多くの苦難がありました。
「スラモル」のことをもっと知って、身近に感じてもらいたい。
そんな気持ちで、スラモル誕生に至るまでの物語をご紹介します。
ある建設会社様が、横須賀でマンション建設をしていたときのことです。マンションと背面間の埋戻し作業をしなければならないということで、建設会社様から依頼を受けました。しかし、いざ現場に赴いてみると、「土」を「タワークレーン」で埋戻すのでは1ヶ月はかかってしまうであろう大規模な埋戻し作業が必須…。流動化処理土を製造しているプラントは東京にあり、いざ遠方から運ぼうとすると、距離もあり、おまけに現場は狭く、小型車しか入れないことが判明。その時、他社から運べないなら「当社で作ってしまおう」という提案がありました。それからが、悪戦苦闘の始まりです。
アイデアとしては生コン工場の材料を使うという発想です。
セメント・砂・水を使用し低強度モルタル製造への挑戦となりました。
その発想を実現するために、すぐに試作を始めたのでした。
試作段階では、何度も何度も失敗を繰り返し、試行錯誤を重ねました。しかし、どんなに試作を繰り返しても、どうしても分離が生じてしまいます。そこで、一つのヒラメキが生まれました。“いつもと同じ作り方で作ろうとするから失敗するのかもしれない。水の代わりに、粘性の高いスラッジ水で作ってみたらどうだろう?!”
早速スラッジ水で試作してみたところ、これが見事に成功!
分離せず、きちんと練りあがった埋戻し材が出来たのです。
これが、「スラモル」誕生の瞬間です。
当時から、産業廃棄物の処理費用は生コン工場にとって大きな悩みでした。
“もしも、この埋戻し材を商品化することができたら…。多くの生コン工場にとって画期的な開発になるはずだ”
そう考え特許を出願、商品化にのりだそうとしました。しかし、周囲の声は考えていた以上に否定的。「今まで既存のもので対応してきたのだから、需要はないだろう」というのが、多くの生コン関係者の意見でした。そのため、この時開発された埋戻し材(後のスラモル)が商品化されることはありませんでした。
それから少しずつ口コミで広がり、
様々な現場で実績を伸ばし、経験を積んできた上で、
“やっぱりあの埋戻し材に力を入れるべきだ”という強い意志が生まれました。
それから埋戻し材の販売に向けて本格的に営業活動を始動。平成11年には特許登録され特許商品となり、平成14年に「スラモル」として商標登録されました。
その後、平成17年度には産業廃棄物“排出量ゼロ”という記録を実現し、現在に至るまでなおもその記録を更新し続け、多くの現場で活躍しています。